コートジボワール北部のスーダン様式モスク群
Sudanese style mosques in northern Côte d’Ivoire

概要

コートジボワール北部の乾燥したサバンナ地帯には、泥(バンコ)を積み上げて造られた独特の姿をしたモスクが点在している。壁面から突き出す木材の梁や、先端をすぼめた塔状のミナレットが特徴的なこれらの建造物は、「スーダン様式」と呼ばれる西アフリカ独自の建築様式を伝える貴重な遺構であり、2021年に世界遺産として登録された。

基本情報
コートジボアール
2021年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: コートジボアール
  • 登録状況: 2021年:新規登録
  • 区分: 文化遺産
  • 登録基準: (ⅱ)、(ⅳ)
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詳細情報
テングレラ、コウト、ソロバンゴ、サマティギラ、メボンゲ、コング、カウアラにある特徴的な様式のモスク。
土造りの壁から突き出した 木の杭、陶器やダチョウの卵を冠した垂直の支え、先細りのミナレットが特徴である。
マリ帝国の一部であるジェンネの街で生まれた建築様式と考えられている。
西アフリカのサバンナ地域に特有のこれらのモスクは スーダン様式と呼ばれ、イスラム教の建築様式と現地の建築様式が融合した、特徴的なスタイルである。
イスラム教やイスラム文化の拡大を促進したサハラ交易を示すの重要な遺産である。

もっと詳しく

スーダン様式とは、現在のマリ共和国にあたる古都ジェンネ周辺で発展したとされる泥造り建築の様式で、かつて西アフリカ一帯に栄えたマリ帝国の版図拡大とともに、サハラ砂漠を越える隊商交易路(トランス・サハラ交易)を通じて周辺地域へ広まっていったと考えられている。コートジボワール北部に残るモスク群は、この様式が遠く南方の地まで伝わり、地域固有の建築伝統と融合して独自の発展を遂げた姿を今に伝えるものとされる。

建築的な特徴としては、日干しレンガや泥を素材とした壁面から木材の梁(ボワ・ピロ)が無数に突き出す独特の外観、雨季の後に泥壁を塗り直す際の足場としても機能するとされるこの構造、そして先端が截頭ピラミッド状にすぼまる塔状のミナレット、壺やダチョウの卵で頂部を飾った垂直方向の控え壁(バットレス)などが挙げられる。これらは乾燥地帯特有の建材である泥を使いながら、雨風による浸食に耐えるための工夫が凝らされた、実用性と意匠性を兼ね備えた建築技術と評価されている。

世界遺産としての登録基準は(ii)と(iv)である。(ii)は建築様式や技術の発展における人類の価値観の重要な交流を示す物件に適用される基準で、この一帯のモスク群がイスラム建築の様式と現地の建築伝統との融合を体現している点が評価されたとされる。(iv)は人類の歴史上の重要な段階を物語る建築様式・技術の顕著な例に適用される基準で、スーダン様式という西アフリカに特有の建築類型を代表する事例として位置づけられている。なお、この物件は2021年の第44回世界遺産委員会で登録され、同年の審議でアフリカから最初に登録された物件の一つであったとされる。

よくある質問

Q. コートジボワール北部のスーダン様式モスク群とはどのような世界遺産ですか?
A. コートジボワール北部の複数の町に点在する、泥(バンコ)造りの伝統的なモスク群を指す世界遺産です。西アフリカ独自の『スーダン様式』と呼ばれる建築様式を伝える貴重な例として、2021年に文化遺産に登録されました。

Q. スーダン様式とはどのような建築様式ですか?
A. 泥を主な建材とし、壁面から木材の梁を突き出させた外観や、先端がすぼまる塔状のミナレットを特徴とする西アフリカ独自の建築様式です。現在のマリにあたる地域で発展し、サハラ交易を通じて周辺地域へ広まったと考えられています。

Q. なぜこのモスク群は世界遺産に登録されたのですか?
A. 登録基準(ii)(iv)に基づき、イスラム建築の様式と現地の建築伝統が融合した独自性、そしてトランス・サハラ交易を通じた文化交流の歴史的証拠としての価値が評価されました。

Q. 実際に現地を訪れることはできますか?
A. モスク群はコートジボワール北部の複数の町に分散しており、周辺は渡航に際して最新の安全情報の確認が強く推奨される地域を含みます。訪問を検討する場合は、事前に外務省等の渡航情報を必ず確認してください。

写真
コートジボワール北部のスーダン様式モスク群
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