ヴァイキング時代の環状要塞群
Viking-Age Ring Fortresses

概要

ヴァイキング時代の環状要塞群は、10世紀後半のデンマークに築かれた5つの円形要塞からなる世界遺産です。厳密な幾何学設計に基づくその構造は、当時のヴァイキング社会が高度な統治・軍事組織を備えていたことを物語っています。2023年にユネスコの世界遺産リストに登録されました。

基本情報
デンマーク
2023年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: デンマーク
  • 登録状況: 2023年:新規登録
  • 区分: 文化遺産
  • 登録基準: (ⅲ)、(ⅳ)
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詳細情報
精密な幾何学設計に基づく円形の要塞群である。
王権による中央集権化を示す軍事施設とされる。
木造建築を円形に配置した独自の構造を持つ。
10世紀のヴァイキング社会の統治体制を伝える。

もっと詳しく

現在確認されている5つの環状要塞は、アガースボー(Aggersborg)、フュルカット(Fyrkat)、トレレボー(Trelleborg)、ノンネバッケン(Nonnebakken)、ボーリング(Borgring)で、いずれも西暦970年から980年頃、デンマーク王ハラルド青歯王(Harald Bluetooth)の治世に建設されたとされています。ユトランド半島やフュン島、シェラン島の陸路・海路の要衝に位置しており、王権を国内で確立するとともに、神聖ローマ皇帝オットー2世をはじめとする外部勢力からの圧力に対抗する目的があったと考えられています。

構造上の最大の特徴は、いずれも同一の精密な円形幾何学設計に基づいて造られている点です。城壁は正確な円を描き、内部は十字に区切られた区画に木造の長屋(ロングハウス)が対称的に配置されていました。単なる防御施設にとどまらず、地形の起伏など自然の地の利も巧みに取り入れた高度な軍事建築として評価されています。

5つの要塞は、北欧が異教社会からキリスト教を基盤とするヨーロッパの一員へと移行していく、まさにその過渡期を象徴する遺産と位置づけられています。統一王国としてのデンマークが形成されていく歴史の転換点を伝える物証として、2023年の登録では、当時の建築技術の卓越性(登録基準iv)と、ヴァイキング時代の社会・統治のあり方を伝える証拠としての価値(登録基準iii)が評価されました。

よくある質問

Q. 環状要塞群はいくつの遺跡で構成されていますか。
A. アガースボー、フュルカット、トレレボー、ノンネバッケン、ボーリングの5つの円形要塞で構成されています。

Q. 誰が建設したとされていますか。
A. デンマーク王ハラルド青歯王の治世、西暦970年から980年頃に建設されたとされています。

Q. なぜ環状(リング状)の形をしているのですか。
A. 厳密な幾何学設計に基づく円形の縄張りが5遺跡すべてに共通しており、当時の高度な測量・建築技術を示す特徴とされています。

Q. 世界遺産に登録されたのはいつですか。
A. 2023年9月にユネスコの世界遺産リストに登録されました。

旅行情報

トレレボー要塞(シェラン島スラーエルセ近郊)には国立博物館が運営するヴァイキングセンターがあり、復元された建物や体験展示を見学できます。フュルカット要塞(ユトランド半島ホブロ近郊)も夏季を中心に野外博物館として公開され、復元家屋で職人や戦士の扮装をしたスタッフによる実演が行われています。5遺跡はデンマーク国内の異なる地域に分散しているため、共通の入場券や統一された見学ルートはなく、訪問の際は遺跡ごとに開館期間や料金を個別に確認する必要があります。
写真
ヴァイキング時代の環状要塞群
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