カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林
Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe

概要

カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林は、18カ国93地点、総面積約10万ヘクタールに及ぶ、世界最大級のブナ原生林の連続資産である。2007年にスロバキアとウクライナの10地点で登録された後、2011年・2017年・2021年と拡大を重ね現在の姿になった。最終氷河期以降、途切れることなく続く原生林として、登録基準(ix)のもと世界遺産に登録されている。

基本情報
アルバニア,イタリア,ウクライナ,オーストリア,クロアチア,スペイン,スロバキア,スロベニア,ドイツ,ブルガリア,ベルギー,ルーマニア,北マケドニア,スイス,チェコ,フランス,ポーランド,ボスニア・ヘルツェゴビナ
2007年:新規登録,2011年:範囲拡大,2017年:範囲拡大,2021年:範囲拡大
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: アルバニア,イタリア,ウクライナ,オーストリア,クロアチア,スペイン,スロバキア,スロベニア,ドイツ,ブルガリア,ベルギー,ルーマニア,北マケドニア,スイス,チェコ,フランス,ポーランド,ボスニア・ヘルツェゴビナ
  • 登録状況: 2007年:新規登録,2011年:範囲拡大,2017年:範囲拡大,2021年:範囲拡大
  • 区分: 自然遺産
  • 登録基準: (ⅸ)
世界遺産検定 対策トップへ »
詳細情報
18カ国にまたがるトランスバウンダリーサイト。
北半球のブナの変遷を伝える貴重な場所であり、最終氷河期から現在に至る発展の過程を知ることができる場所である。
世界最大のヨーロッパブナの原生林地帯であり、10種の原生ブナが茂る。
IUCNのレッドリストにあるキンメフクロウ の生息域。
2007年:スロバキアとウクライナで登録。名称は「カルパティア山脈のブナ原生林」
2011年:ドイツが追加登録。名称が「カルパティア山脈のブナ原生林とドイツの古代ブナ林」に変更
2017年:9か国が追加登録。名称が「カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林」に変更
2021年:6か国が追加登録。

もっと詳しく

カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林は、18カ国93地点、総面積約99,948ヘクタール(緩衝地帯を含めると約396,224ヘクタール)に及ぶ、世界最大級のブナ原生林からなるトランスバウンダリー(国境を越える)連続資産である。最終氷河期の終わりから現在に至るまで、ヨーロッパブナ(Fagus sylvatica)が中央ヨーロッパの低地からアルプスやカルパチア山脈、地中海沿岸へと分布を広げていった過程を、途切れることなく物語る森林群として知られる。

登録の歴史は2007年、スロバキアとウクライナにまたがる10地点が「カルパティア山脈のブナ原生林」として世界遺産に登録されたことに始まる。2011年にはドイツの5地点が追加され、名称は「カルパティア山脈のブナ原生林とドイツの古代ブナ林」に変更された。2017年には、アルバニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、イタリア、ルーマニア、スロベニア、スペインの9カ国が新たに加わり、名称も現在の「カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林」となった。2021年にはボスニア・ヘルツェゴビナ、チェコ、フランス、北マケドニア、ポーランド、スイスなど6カ国が追加登録され、現在の18カ国・93地点という規模になった。

構成資産の中には、ウクライナ西部(ザカルパッチャ州)のウホルカ・シロキー・ルフのように、ヨーロッパでも最大級の手つかずのブナ原生林として知られる森もある。地域によって気候や標高の異なる多様な環境下でブナが純林・混交林を形成しており、その生態学的なパターンと過程が、他に例のない完全さで保存されている。キンメフクロウをはじめ、ヒグマやオオカミ、オオヤマネコなど大型哺乳類の重要な生息地としても評価されている。

登録基準(ix)は、これらの森林がブナ属(Fagus)の進化と分布の歴史を理解するうえで欠かせないものであり、最終氷河期以降のヨーロッパにおける陸上生態系の再定着と発展を示す顕著な事例であることを評価するものである。ブナは温帯落葉広葉樹林において最も重要な樹種のひとつであり、その分布の広がりを一つの世界遺産として連続的にたどれる点に、この資産の学術的価値がある。

広大な連続資産であるため、訪問先は国によって異なる。ドイツのケラーヴァルト・エーダーゼー国立公園には常設のビジターセンターがあり、原生林を巡る全長68kmの「原生林の道(ウアヴァルトシュタイク)」など複数のハイキングコースが整備されている。ベルギー・ブリュッセル近郊のゾニエンの森(ソニアン・フォレスト)も構成資産の一部で、鉄道駅やメトロからアクセスでき、都市近郊で原生ブナ林の一端に触れられる場所として知られる。

よくある質問

Q. この世界遺産は何カ国にまたがっていますか?
A. 2021年時点で18カ国・93地点にまたがる連続資産で、単一の世界遺産としては最も多くの国を含む資産のひとつとされる。

Q. なぜ登録範囲が何度も拡大されてきたのですか?
A. 2007年のスロバキア・ウクライナでの登録を出発点に、ヨーロッパ各地に残る同様の価値を持つ原生・古代ブナ林が2011年・2017年・2021年と順次追加登録されてきたため。名称もそのたびに変更されている。

Q. 登録基準(ix)ではどのような点が評価されていますか?
A. 最終氷河期以降、ブナが分布を広げていった生態系の再定着・発展の過程を、途切れることなく伝える点が評価され、登録基準(ix)のもと登録された。

Q. どんな動物が生息していますか?
A. IUCNレッドリストに掲載されるキンメフクロウのほか、ヒグマやオオカミ、オオヤマネコなど大型哺乳類の重要な生息地となっている。

旅行情報

ドイツのケラーヴァルト・エーダーゼー国立公園にはビジターセンターがあり、全長68kmの「原生林の道」など複数のハイキングコースが整備されている。ブリュッセル近郊のゾニエンの森は鉄道駅・メトロからアクセスでき、都市近郊で構成資産の一部を訪れられる。
写真
カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林
ページトップへ戻る