サウジアラビア北西部に位置する古代遺跡。
同国で初めて世界遺産に登録された遺跡である。
かつてナバテア王国の南の都として栄え、同国の北の都ペトラ(ヨルダン)とともに、交易路を結ぶ重要拠点となっていた。
紀元前1世紀から紀元1世紀にかけて、この地には岩を削って造られた岩窟墓が数多く残されており、その数は100基以上に及ぶ。
これらの墓にはギリシアやローマの建築様式が取り入れられ、ナバテア文化と地中海世界の交流を示す独自の意匠が見られる。
また、アル=ヒジュルには碑文や水利施設なども発見されており、当時の生活や社会構造を知る上で貴重な手がかりを提供している。
特に水を確保するための灌漑システムは、この乾燥地帯での都市発展を可能にした技術として評価されている。
「人類の文化的交流を示す遺産」として評価されている。