「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて日本が非西洋地域で初めて短期間のうちに重工業化を成し遂げた過程を伝える資産群である。九州・山口を中心に8県に点在する23の構成資産が、製鉄・製鋼、造船、石炭という産業分野ごとの発展段階を示している。西洋から導入された技術を日本国内で応用・改良し、独自の産業基盤を築き上げていった過程が評価され、2015年に世界文化遺産として登録された。
Q. 「明治日本の産業革命遺産」とはどのような世界遺産ですか?
A. 幕末から明治にかけて日本が短期間で重工業化を達成した過程を伝える産業遺産群で、山口・静岡・岩手・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・福岡の8県にまたがる23の資産から構成されます。製鉄・製鋼、造船、石炭産業の発展を示す施設が含まれ、2015年に世界文化遺産として登録されました。
Q. 端島(軍艦島)はどのような場所ですか?
A. 長崎港沖に浮かぶ小島で、かつて海底炭鉱とともに高密度の集合住宅群が形成された炭鉱の島です。1974年の閉山後は無人島となりましたが、現在は上陸を伴う観光クルーズが運航されており、構成資産の中でも見学しやすい場所の一つです。
Q. この遺産に関連してどのような国際的な議論がありますか?
A. 1940年代に一部の施設で朝鮮半島出身者などが労働に従事した経緯とその解釈のあり方をめぐり、国際的な議論が続いています。2015年の登録時に日本政府代表は、多数の朝鮮半島出身者などがその意思に反して連れて来られ、厳しい環境下で働かされたことを理解できるようにする措置を講じる用意があると表明したとされ、2020年には東京に「産業遺産情報センター」が開設されました。しかし2021年の世界遺産委員会(決定44 COM 7B.30)は、事前のユネスコ・イコモス現地調査団による『解釈上の措置が依然として不十分』とする報告を踏まえ、日本の対応が十分でないとして「強い遺憾」を表明する決定を採択したとされ、この点をめぐって日本政府と韓国政府の間でも見解の相違が現在も続いています。当サイトはこの議論についていずれかの立場を支持するものではありません。
Q. この資産はすべて見学できますか?
A. 23の構成資産の中には、稼働中の製鉄所・造船所の一部など、常時一般公開されていない施設も含まれます。一方で端島(軍艦島)のように上陸クルーズを通じて見学できる資産もあり、見学の可否は資産ごとに異なります。