聖ヒラリオン修道院/テル・ウンム・アメル
Saint Hilarion Monastery/ Tell Umm Amer

概要

聖ヒラリオン修道院/テル・ウンム・アメルは、パレスチナのガザ地区に位置する古代修道院の遺跡です。4世紀に活動した初期キリスト教の隠修士・聖ヒラリオンに由来するとされ、地中海地域でも有数の規模を持つ修道院遺構として知られています。2024年、ユネスコ世界遺産委員会は緊急的な審査手続きを用いてこの遺跡を世界遺産一覧表と危機にさらされている世界遺産一覧表の双方に同時登録しました。

基本情報
パレスチナ
2024年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: パレスチナ
  • 登録状況: 2024年:新規登録
  • 区分: 文化遺産
  • 登録基準: (ⅱ)、(ⅲ)、(ⅵ)
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詳細情報
初期キリスト教の隠修士ゆかりの修道院跡である。
地中海地域最大級の修道院遺跡の一つとされる。
複数の時代の増改築を経た建築層が確認されている。
紛争の影響下で保存が課題となっている。

もっと詳しく

聖ヒラリオン修道院は、ガザ市の南方約10kmに位置するアン・ヌサイラート近郊の遺跡で、中東地域でも特に古い時代にさかのぼる修道院遺構の一つとされています。伝承によれば、この地で修道生活を営んだ聖ヒラリオンは、聖アントニオスらに続く初期のキリスト教隠修士の一人とされ、聖ヒラリオンの周辺に形成された修道共同体は「聖地(ホーリーランド)」における最初期の修道院共同体の一つであったとされています。遺跡は4世紀初頭、西暦329年頃に起源を持つとも伝えられています。

発掘調査により、遺跡からは二つの教会堂、洗礼堂、埋葬地、公共墓地、集会用のホール、食堂など、複数の時代にまたがる増改築の跡を示す建築層が確認されています。この地はアジアとアフリカを結ぶ交易路の要衝に位置していたことから、宗教的な機能だけでなく、交易や文化交流の拠点としての性格もあわせ持っていたと考えられており、ビザンツ時代における砂漠修道院の繁栄ぶりを物語る事例とされています。

ユネスコ世界遺産委員会は、2024年7月26日(第46回拡大会期、インド・ニューデリー開催)において、この遺跡をガザ地区における武力紛争の影響下での被害リスクを踏まえ、世界遺産条約が定める緊急的登録手続きを適用して審査しました。この手続きは、通常であれば登録までに2年以上を要する通常審査プロセスを大幅に短縮するもので、パレスチナは2024年6月に緊急手続きでの審査を要請する形でこの遺跡を推薦したとされています。委員会は同日、この遺跡を世界遺産一覧表への記載と、危機にさらされている世界遺産一覧表への同時記載の両方を決定しました。ユネスコはこの決定にあたり、現地における武力紛争によって文化遺産が損なわれるリスクを防ぐことを目的とした保護措置の一環であると説明しています。

遺跡の保存状態は、紛争の影響下で継続的な脅威にさらされているとされていますが、現時点で現地調査に基づく詳細な被害状況を独立した複数の情報源で確認することはできませんでした。

よくある質問

Q. 聖ヒラリオン修道院はどこにありますか?
A. パレスチナのガザ地区、ガザ市から南へ約10kmのアン・ヌサイラート近郊に位置しています。

Q. 聖ヒラリオンとはどのような人物ですか?
A. 4世紀に活動したとされる初期キリスト教の隠修士で、この地に形成された修道共同体は『聖地』における最初期の修道院共同体の一つとされています。

Q. なぜ2024年に緊急的に登録されたのですか?
A. ユネスコ世界遺産委員会は、ガザ地区における武力紛争の影響下で遺跡が被害を受けるリスクを踏まえ、世界遺産条約が定める緊急的登録手続きを適用して審査したと公式に説明しています。この結果、通常は2年以上かかる審査が大幅に短縮されました。

Q. 世界遺産一覧表と危機遺産一覧表の両方に載っているのはなぜですか?
A. 2024年7月26日、ユネスコ世界遺産委員会が同じ日に、世界遺産一覧表への記載と、保全上の脅威がある遺産を対象とする危機にさらされている世界遺産一覧表への記載の両方を同時に決定したためです。

写真
聖ヒラリオン修道院/テル・ウンム・アメル
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