コモロの歴史的スルタン領のメディナ群
The Medinas of the Historic Sultanates of the Comoros

概要

インド洋西部に浮かぶコモロ諸島には、11世紀頃に交易拠点として発達した集落を起源とし、14~15世紀にかけて各島のスルタン国の中心地へと発展した6つの旧市街(メディナ)が残る。グランドコモロ島のモロニ・イコニ・イツァンドラ・ントスジニ、アンジュアン島のムツァムドゥ・ドモニからなり、アフリカ・イスラム・インド洋交易が交差する中で育まれた独自の都市様式を伝える。今も人々が暮らす生きた旧市街であり、コモロ初の世界遺産として2026年に登録された。

基本情報
コモロ
2026年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: コモロ
  • 登録状況: 2026年:新規登録
  • 区分: 文化遺産
  • 登録基準: (ⅲ)、(ⅳ)
世界遺産検定 対策トップへ »
詳細情報
複数の港町に残る旧市街は、かつて海上交易で栄えた王権の中心地であった。
迷路のように入り組んだ路地と石造りの邸宅群が、当時の繁栄ぶりを物語る。
異なる文化圏の商人が行き交ったことで、独自の建築様式が育まれたとされる。

もっと詳しく

アフリカ大陸南東沖、インド洋に浮かぶコモロ諸島には、6つの歴史的な旧市街(メディナ)が残る。グランドコモロ島(ンガジジャ島)のモロニ、イコニ、イツァンドラ、ントスジニと、アンジュアン島(ンズアニ島)のムツァムドゥ、ドモニからなり、いずれも11世紀頃に交易の拠点として形成された集落を起源とし、14~15世紀にかけて各島に成立したスルタン国の中心都市へと発展した。2026年、登録基準(iii)(iv)のもと世界遺産に登録された、コモロにとって初めての世界遺産である。

これらの旧市街は、迷路のように入り組んだ狭い路地と、サンゴ石を積んで築かれた邸宅群によって構成されている。アフリカ大陸、アラビア半島、ペルシア、インドなど、インド洋交易網を通じて行き交った多様な地域の商人や文化の影響を受けながら、地域独自の都市景観と建築様式が形づくられてきた。

首都モロニの旧市街には、1427年に建てられたとされる「フライデー・モスク(バジャナニ・モスク)」が残り、彫刻を施した木製の扉やサンゴ石の壁など、スワヒリ様式とアラブ様式が融合した建築上の特徴を今に伝えている。また、12世紀に遡るとされるイコニの旧市街には、グランドコモロ島最後のスルタンであったサイード・アリの息子、サイード・イブラヒム王子の墓が残されている。

コモロの旧市街の多くは、考古遺跡としてではなく、現在も人々が暮らし続ける生きた市街地である点に大きな特徴がある。住民の日常生活が営まれる中で、歴史的な街並みと建築様式が保たれてきたことは、この遺産の価値を理解するうえで重要な要素となっている。

登録基準(iii)は、これらの旧市街がコモロ諸島の歴史的なスルタン国の文化的伝統についての稀有な証拠であることを、(iv)はインド洋交易を背景に育まれた独自の都市計画・建築様式を示す顕著な例であることを、それぞれ評価するものである。

よくある質問

Q. コモロの歴史的スルタン領のメディナ群とはどのような遺産ですか?
A. グランドコモロ島とアンジュアン島に残る6つの旧市街(メディナ)からなり、11世紀頃に交易拠点として形成された集落が、14~15世紀に各島のスルタン国の中心都市へと発展したもの。コモロ初の世界遺産である。

Q. どの6つの町が含まれていますか?
A. グランドコモロ島のモロニ・イコニ・イツァンドラ・ントスジニと、アンジュアン島のムツァムドゥ・ドモニの計6つの旧市街が含まれる。

Q. モロニの旧市街にはどのような建物がありますか?
A. 1427年建立とされる「フライデー・モスク(バジャナニ・モスク)」があり、スワヒリ様式とアラブ様式が融合した木製の扉やサンゴ石の壁を今に伝えている。

Q. 今も人が住んでいるのですか?
A. はい。多くの旧市街は考古遺跡ではなく、現在も住民が暮らし続ける生きた市街地である点が特徴とされている。

旅行情報

6つの旧市街のうちモロニの旧市街は港の近くに位置し、細い路地を徒歩でめぐる形での見学が中心となる。島間の移動には定期船が用いられるが、天候等により運航が不安定になることがある。
写真
コモロの歴史的スルタン領のメディナ群
ページトップへ戻る