マリ共和国中部、ニジェール川支流バニ川沿いの交易都市ジェンネに残る、泥レンガ(バンコ)造りの旧市街。
象徴的な
大モスク(グランド・モスク)は13世紀、この地を治めた王がイスラム教に改宗したのを機に建設されたのが起源とされるが、その後の戦乱で崩壊し、1907年に
フランス植民地政府のもとで再建された、日干しレンガ造建築として世界最大級の建物である。
表面の泥塗りは雨季に傷むため、住民が総出で塗り直す年に一度の補修作業(クレピサージュ)が今も続けられている。
サハラ交易の中継都市として繁栄し、独特の泥造建築様式は
スーダン様式(サヘル様式)として西アフリカ各地に影響を与えた。
1988年に
世界遺産登録されたが、2016年、
マリ北部の政府軍と武装勢力の紛争による治安悪化が保全活動の実施を妨げているとして
危機遺産リストに追加登録された。
建材の劣化や都市化による考古学的遺構の浸食も、
危機遺産登録の理由として挙げられている。
登録基準はiii(文明・伝統の証拠)とiv(建築・技術・景観の顕著な例)。
【検定ここが出る】1907年に再建された大モスクが日干しレンガ建築として世界最大級である点、2016年に治安悪化を理由に
危機遺産リストへ加えられた点が問われやすい。