新疆・天山
Xinjiang Tianshan

概要

新疆・天山は、中央アジアを横断する天山山脈のうち中国・新疆ウイグル自治区内にある区域を対象として、2013年に自然遺産として世界遺産に登録されました。トムル峰(約7,443m)を最高峰とする複数の構成資産からなる広域の資産で、基準(vii)の卓越した自然美と、基準(ix)の生態学的プロセスの両方が評価されています。乾燥地帯にありながら、雪山・氷河・草原・渓谷・湖沼など変化に富んだ景観と生態系を有することが特徴です。

基本情報
中国
2013年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: 中国
  • 登録状況: 2013年:新規登録
  • 区分: 自然遺産
  • 登録基準: (ⅶ)、(ⅸ)
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詳細情報
中央アジアを横断する天山山脈の一部をなす自然遺産である。
雪山・氷河・草原など多様な自然景観が広がる。
乾燥地帯にありながら豊かな生態系を育む。
渓谷や湖沼など変化に富んだ地形が特徴的である。

もっと詳しく

この世界遺産は、トムル、カラジュン=クエルデニン、バインブルク、ボゴダの4つの構成資産からなる「シリアル・ノミネーション(分散型登録)」で、合計面積は約60万6,800ha、緩衝地帯を含めるとさらに広大な範囲に及ぶとされています。西端に位置するトムル峰(約7,443m)は天山山脈全体の最高峰とされ、東端のボゴダ峰(約5,445m)とあわせて、山脈の広がりを象徴する存在です。

氷河の規模も注目に値します。新疆側の天山だけで約9,000を超える氷河(総面積約9,236km2)が存在するとされ、これは天山山脈全体の氷河のうち、面積で約6割、体積で約6割、数では9割近くを占めるとされています。トムル峰周辺には標高6,000mを超える峰が15座以上連なるとされ、この一帯が氷河地形の集中する中心部となっています。

地質学的にも天山山脈は興味深い存在です。プレート境界から遠く離れた大陸内部に位置しながら、はるか南方でのインド亜大陸とユーラシア大陸の衝突の影響(遠隔応力)を受けて新生代に再隆起したとされ、「大陸内部造山帯」の代表的な事例の一つとして地質学の研究対象になっているとされます。この現在も続く隆起・侵食のプロセスは、まさに基準(ix)が評価する「進行中の地形形成プロセス」の一例といえます。

基準(vii)は類まれな自然美・美的重要性を、基準(ix)は生態系・生物群集の発展に関わる重要な進行中のプロセスを評価する基準です。乾燥した中央アジア内陸部にありながら標高差によって多様な植生帯が形成される点も、この基準の評価につながっているとされています。

よくある質問

Q. 新疆・天山とはどのような場所ですか。
A. 中央アジアを横断する天山山脈のうち中国・新疆ウイグル自治区内の区域で、トムル峰などを含む4つの構成資産からなります。

Q. なぜ基準(vii)(ix)で登録されているのですか。
A. 雪山・氷河・渓谷などの卓越した自然美(vii)と、氷河や造山運動などの進行中の地形・生態プロセス(ix)の両方が評価されたためです。

Q. プレート境界から離れているのになぜ山脈があるのですか。
A. 遠く離れたインド亜大陸とユーラシア大陸の衝突の影響を受けて再隆起した「大陸内部造山帯」の代表例の一つとされています。

Q. 観光で訪れることはできますか。
A. 構成資産の一部であるトムル大峡谷観光区など、限られた区域には観光インフラが整備されているとされます。

旅行情報

構成資産の一つトムル峰周辺には、新疆ウイグル自治区アクス地区ウェンス県にある「天山トムル大峡谷観光区(国家5A級観光地)」が整備されているとされ、国道314号線から約30km、アクス市内からシャトルバスなどでアクセス可能とされています。ただし、この観光区は世界遺産の構成資産全体のうち一部の周縁エリアに過ぎず、氷河が集中する核心部や他の構成資産(ボゴダ等)への一般観光アクセスは限定的とみられるため、訪問を計画する際は事前に最新情報を確認することが推奨されます。
写真
新疆・天山
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