技師エラディオ・ディエステの作品:アトランティダの聖堂
The work of engineer Eladio Dieste: Church of Atlántida

概要

「技師エラディオ・ディエステの作品:アトランティダの聖堂」は、ウルグアイの首都モンテビデオ近郊のアトランティダに建つ煉瓦造りの建築物で、2020年に文化遺産として世界遺産に登録されました。登録基準は(iv)のみで、建築の造形美というより、高度な構造技術そのものが世界遺産としての価値の核心にあります。ディエステが開発した独自の煉瓦構造技法によって、少ない資材で大空間を実現した20世紀ラテンアメリカ建築の到達点の一つとされています。

基本情報
ウルグアイ
2020年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: ウルグアイ
  • 登録状況: 2020年:新規登録
  • 区分: 文化遺産
  • 登録基準: (ⅳ)
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詳細情報
薄いレンガ造りの曲面構造を特徴とする教会建築である。
安価な材料で大空間を実現する技術が評価されている。
波打つような曲線的な壁面が特徴的である。
構造と意匠を融合させた独創的な建築とされる。

もっと詳しく

この建物は正式には「労働者キリストとルルドの聖母教会(通称クリスト・オブレロ教会)」と呼ばれ、ウルグアイのカネロネス県アトランティダ、モンテビデオから約40km離れた町に、1958年から1960年にかけて建設されたとされています。設計・構造の中心を担ったのはウルグアイの技師エラディオ・ディエステで、独自の煉瓦構造技法によって20世紀ラテンアメリカ建築を代表する構造技術者として評価されています。

ディエステが開発した技法は「補強セラミック(reinforced ceramics)」と呼ばれ、焼成煉瓦の組積造に最小限の鉄筋とモルタルを組み合わせることで、薄く軽量でありながら高い強度を持つシェル構造を実現するものでした。荷重を「質量」ではなく「幾何学的な曲面形状」によって支えるという発想が特徴で、代表的な応用例が数学者ガウスの名にちなむとされる「ガウスヴォールト」と呼ばれる二重曲面の屋根構造です。

アトランティダの聖堂では、波打つように連続する曲面壁(サーペンティン壁)がそのまま屋根のガウスヴォールトへとつながる一体的な構造が用いられており、視覚的な躍動感と構造的な合理性を同時に実現している点が高く評価されています。安価で入手しやすい煉瓦という資材だけで大空間を構築できたことは、資源の限られた地域における建築技術のモデルケースとしても注目されてきました。

世界遺産としての登録基準(iv)は、人類史上の重要な発展段階を示す建築様式・技術・景観の顕著な見本であることを評価する基準です。この聖堂は、20世紀後半のモダニズム建築の中でも構造技術と造形が高度に統合された稀有な事例として、この基準のもとで評価されています。

よくある質問

Q. 誰が設計した建築物ですか。
A. ウルグアイの技師エラディオ・ディエステが構造・設計の中心を担った、通称クリスト・オブレロ教会と呼ばれる建物です。

Q. 「補強セラミック」とはどのような技法ですか。
A. 焼成煉瓦の組積造に最小限の鉄筋・モルタルを組み合わせ、幾何学的な曲面形状によって荷重を支える、ディエステ独自の構造技法です。

Q. なぜ登録基準(iv)だけで登録されているのですか。
A. 造形的な美しさよりも、人類の建築技術発展における顕著な到達点であることが評価の中心となっているためです。

Q. この建物を見学することはできますか。
A. 平日の日中は一般見学が可能とされ、曜日ごとに定められた時間帯にはガイド付き見学ツアーも実施されているとされます。

旅行情報

建物はウルグアイのルータ11号線164km地点、アトランティダ駅周辺に位置するとされています。一般見学は平日8時~16時に可能とされ、これとは別にガイド付き見学ツアーが水曜(15:30/17:00/18:00/19:00)、土曜(14:30/15:30/17:00/18:00/19:00)、日曜(10:30/11:30/12:30)に実施されているとされます(日時は変更される場合があるため事前確認が推奨されます)。予約や問い合わせはカネロネス県の観光局窓口を通じて行うことができるとされています。
写真
技師エラディオ・ディエステの作品:アトランティダの聖堂
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