シリア西部、地中海に近い高台に築かれた中世の城塞2件。
クラック・デ・シュバリエは1142年から1271年にかけて、
聖ヨハネ騎士団(ホスピタル騎士団)がシリア支部の本拠として築いた城塞で、13世紀末にはマムルーク朝による増築も加えられ、十字軍城郭建築の中でも保存状態が最良の例の一つとされる。
一方のカラット・サラディンは10世紀のビザンティン時代の砦を起源とし、12世紀末のフランク人による改修、続く
アイユーブ朝による増築を経た多層的な建造物である。
両城塞は11〜13世紀の
十字軍時代における近東の城郭建築の発展と、東西文化の交流の様子を伝える代表例とされる。
2006年、その時代を代表する要塞建築として
世界遺産に登録された。
2013年、国内の武力紛争の影響により資産の保全状況の悪化が懸念されるとして、シリア国内の他の
世界遺産とともに
危機遺産リストに登録された。
登録基準はii(文化交流の証拠)とiv(建築・技術・景観の顕著な例)。
【検定ここが出る】クラック・デ・シュバリエが特定の騎士修道会の本拠であった点、2013年にシリア国内の他資産とともに
危機遺産リストに登録された点が問われやすい。