レバノン東部ベカー高原に残る、古代ローマ屈指の規模を誇る神殿都市遺跡。
元来フェニキア人がバアル神を祀った聖地で、ギリシャ人からは「太陽の都市」を意味する
ヘリオポリスと呼ばれ、紀元前200年頃にセレウコス朝アンティオコス3世の支配下に入った後、ローマの属領となった。
中心となる
ジュピター神殿は2世紀に完成し、アスワン産花崗岩による高さ約19メートルのコリント式列柱54本を擁する、ローマ帝国屈指の壮大な神殿建築とされる。
神殿の基壇には推定重量800トンを超える巨石(トリリトン)が3個組み込まれ、近隣の採石場にはさらに大きい推定1000トン超級の巨石「妊婦の石」も残り、古代世界最大級の切石建築として知られる。
神殿群はハダド神(ジュピター)、アタルガティス女神(ヴィーナス)、若き神(メルクリウス)からなる「同地の三神」を祀るもので、フェニキア由来の信仰にルーツを持つ。
1984年、古代ローマの宗教建築の粋を伝える遺跡として
世界遺産に登録された。
登録基準はi(人類の創造的才能を表す傑作)とiv(建築・技術・景観の顕著な例)。
【検定ここが出る】フェニキアの太陽神信仰に起源を持つギリシャ語由来の別名で呼ばれた点、推定800トン超の巨石(トリリトン)を用いた古代世界最大級の石造建築である点が問われやすい。