ヴァレッタ市街
City of Valletta

概要

ヴァレッタは、地中海の要衝マルタ島に築かれた小さな首都でありながら、街全体が世界遺産に登録されている都市である。1565年の大包囲戦でオスマン帝国軍を退けた聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)が、その戦訓をもとに難攻不落の要塞都市として一から建設したもので、整然とした街路と重厚な城壁に、16世紀ヨーロッパの軍事建築と都市計画の粋が凝縮されている。

基本情報
マルタ
1980年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: マルタ
  • 登録状況: 1980年:新規登録
  • 区分: 文化遺産
  • 登録基準: (ⅰ)、(ⅵ)
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詳細情報
マルタ島に築かれたこの都市は、16世紀に聖ヨハネ騎士団によって建設された。
街は要塞都市として整備され、堅固な城壁で守られている。
市内には聖ヨハネ准司教座聖堂があり、豪華な装飾と絵画で知られる。
また、宮殿や公共建築が整然と並び、計画都市の特色を示している。

もっと詳しく

1565年、聖ヨハネ騎士団はマルタを襲ったオスマン帝国の大軍を退けた(大包囲戦)。この勝利を機に、当時の団長ジャン・ド・ヴァレットの名を冠した新都市の建設が始まり、マルタ人建築家ジローラモ・カッサールが都市計画と主要建築の設計を担ったと伝えられている。

ヴァレッタは、直交する街路網によって区画された計画都市であり、当時のヨーロッパでは先進的な都市計画理論を体現した実例の一つとされる。厚い城壁と稜堡(バスティオン)によって囲まれた市街は、火砲の時代に対応した近世軍事建築の到達点の一つとして評価されている。

1573年から1578年にかけて建設された聖ヨハネ大聖堂は、騎士団の守護聖人である洗礼者聖ヨハネに捧げられた教会堂である。外観は簡素な要塞建築を思わせる一方、内部は金箔とバロック装飾で埋め尽くされた対照的な空間構成となっており、床には騎士団員の墓を飾る約400枚の大理石装飾が敷き詰められている。両側には出身地域ごとに分かれた騎士団の分団(ラング)の礼拝堂が並び、当時の騎士団の国際的な構成を今に伝えている。

大聖堂に付属する美術館には、17世紀の画家カラヴァッジョの作品が所蔵されている。マルタ滞在中に騎士に叙せられたカラヴァッジョが手がけた作品は、彼が生涯で署名を残した唯一の作品とされ、美術史上も特に重要な作例と位置付けられている。

登録基準(i)(vi)のもとで評価されており、(i)は人類の創造的才能を示す傑作であること、(vi)は歴史上重要な出来事や伝統と直接的に結び付くことを意味する。ヴァレッタの場合、大包囲戦という歴史的事件と、それに応じて計画された都市そのものの完成度の高さが、この二つの基準の根拠となっている。

よくある質問

Q. ヴァレッタはなぜ世界遺産に登録されたのですか?
A. 1565年の大包囲戦を経て聖ヨハネ騎士団が建設した計画都市であり、その整然とした都市構造と要塞建築の完成度が評価され、登録基準(i)(vi)のもとで1980年に世界遺産に登録された。

Q. 聖ヨハネ大聖堂の特徴は何ですか?
A. 外観は簡素な要塞風だが、内部は金箔とバロック装飾で飾られており、床には騎士団員の墓を示す大理石装飾が約400枚敷き詰められている。両側には出身地域ごとの騎士団分団の礼拝堂が並ぶ。

Q. ヴァレッタの街づくりにはどのような特徴がありますか?
A. 直交する街路網による計画都市であり、厚い城壁と稜堡に囲まれた近世ヨーロッパの軍事都市計画の代表例とされている。

Q. ヴァレッタへはどうやって行きますか?
A. マルタ国際空港からバスなどでアクセスでき、市内中心部までは短時間で到着できる。

旅行情報

マルタ国際空港からヴァレッタ市内へは、空港連絡バスなどの公共交通機関でアクセスできる。聖ヨハネ大聖堂をはじめとする主要な見どころは徒歩圏内にまとまっており、街歩きでの観光がしやすいことも特徴とされる。
写真
ヴァレッタ市街
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