カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョ邸宅群
18th-Century Royal Palace at Caserta with the Park, the Aqueduct of Vanvitelli, and the San Leucio Complex

概要

イタリア南部カゼルタにある18世紀の王宮と庭園は、建築家ルイジ・ヴァンヴィテッリの設計により、ナポリ・シチリア両王国の新首都構想の中心として建設された。王宮から一直線に伸びる庭園の軸線、噴水と滝が連なる水景、遠方から水を引く水道橋、そして絹産業のための計画都市サン・レウチョまでを含む、宮廷建築と都市計画が一体となった複合遺産である。

基本情報
イタリア
1997年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: イタリア
  • 登録状況: 1997年:新規登録
  • 区分: 文化遺産
  • 登録基準: (ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ)、(ⅳ)
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詳細情報
ヴァンヴィテッリ設計の巨大宮殿と庭園。
軸線・水景・植栽に基づく景観設計が調和する。
王宮と水道橋群は18世紀建築技術の粋を示す。

もっと詳しく

カゼルタの王宮は、1752年にナポリ王カルロ7世(後のスペイン王カルロス3世)の命により、建築家ルイジ・ヴァンヴィテッリの設計で着工された。ヴェルサイユ宮殿に匹敵する新首都の中心とすることを意図した壮大な計画で、1200室を超える部屋を持つ宮殿は5階建てとされ、広大な敷地に築かれている。ヴァンヴィテッリは完成を見ずに1773年に没し、事業は息子カルロ・ヴァンヴィテッリに引き継がれて完成した。

宮殿背後には広大な庭園が広がり、中心軸に沿って噴水群と人工の滝(グランド・カスケード)が連なる。この壮大な水景を支えるため、約38キロメートルにおよぶとされる水道橋(カロリーノ水道橋、1753年着工・1762年開通)が建設され、遠方のタブルノ山系から水を引いている。軸線・水景・植栽を統合した景観設計は、ヨーロッパの宮廷庭園の中でも屈指の規模と完成度を誇るものと評価されている。

王宮に付属するサン・レウチョ地区は、後の王フェルディナンド4世が18世紀後半に築いた絹産業のための計画的集落である。良質な絹織物の生産拠点であると同時に、住民の教育や身分によらない待遇など、当時としては先進的な社会理念を取り入れたユートピア的な共同体としての性格も持ち、産業遺産と社会実験の両面から評価されている。

登録基準(i)から(iv)は、卓越した創造的才能、造園・建築様式における理念の交流、当時の宮廷文化の証拠、そして建築類型の発展段階を示す複合的な価値を反映している。王宮・庭園・水道橋・サン・レウチョという一連の施設が一体の計画のもとに築かれた点が、単独の宮殿建築とは異なる本資産の特徴である。

よくある質問

Q. カゼルタの王宮は誰が設計しましたか?
A. 建築家ルイジ・ヴァンヴィテッリが設計し、1752年に着工した。彼の没後は息子カルロ・ヴァンヴィテッリが工事を引き継いだ。

Q. 水道橋は何のために造られましたか?
A. 王宮の庭園にある噴水や滝、およびサン・レウチョ地区に水を供給するため、約38キロメートルにわたる水道橋(カロリーノ水道橋)が建設された。

Q. サン・レウチョとはどのような場所ですか?
A. フェルディナンド4世が築いた絹産業のための計画集落で、住民の教育など先進的な社会理念を取り入れたことでも知られる。

Q. なぜヴェルサイユと比較されるのですか?
A. 宮殿・庭園・水景を一体で計画した壮大な設計手法がヴェルサイユ宮殿を範としたとされ、新首都の中心にふさわしい規模を意図して建設されたためである。

旅行情報

ナポリ中央駅からカゼルタ駅まで鉄道で結ばれており、駅から徒歩圏内に王宮の入口がある。庭園は広大なため、奥のカスケードまで見学する場合は事前に所要時間を確認しておくとよい。
写真
カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョ邸宅群
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