ビソトゥーン
Bisotun

概要

ビソトゥーンは、イラン西部ケルマーンシャー州にそびえる石灰岩の断崖に刻まれた古代ペルシアの記念碑です。紀元前522年から521年頃、アケメネス朝の王ダレイオス1世が王位継承の正当性を示すために刻ませたレリーフと楔形文字碑文からなり、2006年に世界遺産として登録されました。

基本情報
イラン
2006年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: イラン
  • 登録状況: 2006年:新規登録
  • 区分: 文化遺産
  • 登録基準: (ⅱ)、(ⅲ)
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詳細情報
ダレイオス1世が刻ませた楔形文字碑文。
古ペルシャ語・エラム語・アッカド語の三言語で記される。
アケメネス朝成立を伝える一次史料。

もっと詳しく

碑文とレリーフは地上から約60メートルの高さにある崖面に刻まれており、碑文部分の大きさは幅約20.5メートル、高さ約7.8メートルに達するとされ、現存する岩壁碑文としては世界最大級とも評されます。レリーフには弓を手に立つダレイオス1世と、その足下に踏みつけられた反逆者ガウマータ、後方に並ぶ捕縛された諸地方の反乱指導者たちの姿が刻まれ、王権の正統性と帝国の再統一を視覚的に示す構図となっています。

この遺跡は、モニュメンタルな美術と文字の発展における人類の価値観の交流を示すものとして世界遺産の登録基準(ii)を、また古代ペルシアとメソポタミアを結ぶ主要な街道沿いに位置し、地域の歴史的な往来を物語る場所として基準(iii)を満たすとされています。実際にビソトゥーンの丘の周辺には、先史時代からメディア、アケメネス朝、ササン朝、イルハン朝期に至るまでの遺構が重層的に残されているとされ、近世に築かれたキャラバンサライ(隊商宿)の存在も、この地が長く交易路の要衝であり続けたことを示しています。

ビソトゥーンの碑文は、19世紀にイギリスの軍人ヘンリー・ローリンソンが命がけで崖に登って碑文を模写し、古代ペルシア語部分の解読を進めたことでも知られています。この解読作業は、それまで読めなかった楔形文字全体の解明につながる大きな手がかりとなったことから、エジプトのヒエログリフ解読におけるロゼッタストーンになぞらえて「ペルシアのロゼッタストーン」と呼ばれることもあります。

よくある質問

Q. ビソトゥーンとはどのような遺跡ですか?
A. イラン西部の断崖に刻まれた、アケメネス朝の王ダレイオス1世による浮き彫りと楔形文字碑文からなる古代の記念碑です。2006年に世界遺産に登録されました。

Q. 碑文は何語で書かれていますか?
A. 古代ペルシア語・エラム語・アッカド語(バビロニア語)の3つの言語による楔形文字で記されています。

Q. ビソトゥーンはなぜ重要とされていますか?
A. アケメネス朝による帝国再統一という具体的な歴史的出来事を記録した唯一の大規模な記念碑とされ、19世紀の楔形文字解読の手がかりにもなったことから、歴史学・文字史の両面で高く評価されています。

Q. 世界遺産の登録基準は何ですか?
A. モニュメンタルな美術・文字の発展における価値観の交流を示す基準(ii)と、古代の主要交易路沿いに位置する歴史的重要性を示す基準(iii)に基づいて登録されています。

旅行情報

ビソトゥーン遺跡は、ケルマーンシャー市街から東へ約30kmの幹線道路沿いに位置し、複数の現地観光情報によると年中無休で午前8時頃から午後8時頃まで一般公開されているとされます(季節により変動の可能性があります)。入場には有料チケットが必要とされますが、具体的な料金は情報源により差があるため、訪問前の現地確認が推奨されます。ケルマーンシャー国際空港からは車で40分程度とされ、訪問のベストシーズンは比較的過ごしやすい春(4月~6月)や秋(9月~11月)とされています。
写真
ビソトゥーン
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