シリア南部に位置する古代都市ボスラは、黒色の玄武岩を用いて築かれた保存状態の良いローマ劇場で知られる世界遺産です。かつて隊商交易路の要衝として栄え、ナバテア王国、ローマ帝国、ビザンツ帝国、イスラーム王朝と、幾重にも重なる歴史を伝える遺構が残ります。現在は紛争の影響により、UNESCOの「危機にさらされている世界遺産」リストに登録されています。
Q. 古代都市ボスラはなぜ危機遺産(危機にさらされている世界遺産)に登録されているのですか?
A. 2013年、UNESCO世界遺産委員会は、シリア国内の武力紛争の影響により顕著な普遍的価値を維持するための保全条件が満たされなくなっているとして、ボスラを含むシリア国内の世界遺産6件を危機遺産リストに登録した。以降も複数回の会合で登録継続が確認されている。
Q. ボスラのローマ劇場にはどんな特徴がありますか?
A. 2世紀、ローマ皇帝トラヤヌスの時代に建設されたとされ、黒色の玄武岩を用いて築かれた点が特徴。直径約102メートル、収容人数は約1万5000人規模とされ、多くのローマ劇場が丘の斜面を利用するのに対し、独立式の構造を持つ点でも珍しいとされる。
Q. ボスラはどのような歴史を経てきた都市ですか?
A. ナバテア王国時代には『北の都』と呼ばれる重要な拠点であったとされ、106年のローマ征服後はローマ属州アラビアの州都として栄えた。その後ビザンツ帝国、イスラーム王朝の支配を経て、各時代の建造物が層状に残る都市となっている。
Q. 現在ボスラを観光で訪れることはできますか?
A. シリア国内の情勢を踏まえ、本ページでは現地の観光・訪問に関する具体的な案内は掲載していない。渡航を検討する場合は、各国政府の渡航情報など最新かつ公的な情報源を必ず確認してほしい。