西コーカサス山脈
Western Caucasus

概要

西コーカサス山脈は、黒海の北東に広がるコーカサス山脈西端部に位置する自然遺産で、ヨーロッパに残る数少ない大規模な原生林地帯の一つとされる。1999年に登録され、登録基準(ix)(x)により、生態系の進化的過程と生物多様性の両面から評価されている。中核となる保護区は1924年に設立されたコーカサス自然保護区(ザポヴェドニク)であり、長年にわたり厳格な保護管理が行われてきた。

基本情報
ロシア
1999年:新規登録
検定ではここを覚えよう
  • 保有国: ロシア
  • 登録状況: 1999年:新規登録
  • 区分: 自然遺産
  • 登録基準: (ⅸ)、(ⅹ)
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詳細情報
ヨーロッパに残る数少ない広大な原生林を有する山岳地帯である。
ヨーロッパバイソンなど希少動物の保護区でもある。
氷河期を生き延びた固有種が多く残存する。
高山から森林まで垂直的な生態系の変化が見られる。

もっと詳しく

総面積約29万9000ヘクタールにおよぶこの地域は、黒海から北東へ約50kmの位置にあり、垂直方向に大きな標高差を持つことから、低地の森林帯から高山帯の草原まで多様な植生帯が連続して見られる。コーカサス山脈は周囲から地理的に隔離されているため固有種が多く、高山帯に生育する植物種のおよそ3分の1がコーカサス地方の固有種であるとされ、氷河期を生き延びた遺存種も少なくないと考えられている。

ヨーロッパバイソン(ズブル)の山岳亜種は、かつてこの地域に生息していたが、乱獲などにより20世紀前半に野生個体群が絶滅したとされる。1924年の保護区設立は、この亜種を再生させることを主目的の一つとしていたとされ、1940年代以降、近縁亜種との交配によって作出された個体群が再導入され、現在も保護区内で自然繁殖している。

近年は、隣接するソチ地域での2014年冬季オリンピック関連施設の建設や、ラゴナキ高原などにおけるスキーリゾート開発計画が、保護区の生態系に影響を及ぼしうる課題として指摘されてきた。世界遺産委員会でも保護状況が継続的に議論の対象となっているとされる。

よくある質問

Q. 西コーカサス山脈はどこにある世界遺産ですか?
A. ロシア南部、黒海の北東に位置するコーカサス山脈西端部にある自然遺産である。

Q. 何が評価されて登録されたのですか?
A. 登録基準(ix)(x)により、ヨーロッパに残る貴重な原生林と、固有種を含む豊かな生物多様性が評価された。

Q. ヨーロッパバイソンはこの地にずっと生息していたのですか?
A. 山岳亜種はいったん野生下で絶滅したとされ、近縁亜種との交配個体が1940年代以降に再導入され、現在に至るとされる。

Q. 訪問することはできますか?
A. 保護区の多くの区域は事前の許可(パーミット)が必要とされ、ソチ近郊の一部区域を除き自由な立ち入りは制限されているとされる。

旅行情報

保護区の大部分は事前の入林許可(パーミット)が必要とされ、ソチのアドラー地区にある保護区事務所などで取得できるとされる。一方、グレーターソチ市内に飛び地として含まれるホスタのイチイ・ツゲ林や、クラスナヤ・ポリャーナの野生動物保護施設などは、許可なしで見学できる区域として紹介されることが多い。訪問可否や制度は変わる可能性があるため、最新情報の確認が望ましい。
写真
西コーカサス山脈
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