レバノン南部の港町ティルス(スール)に残る、地中海交易で栄えたフェニキア最大級の海洋都市の遺跡。
紀元前1000年頃、この地の人々はギリシャから
カルタゴ、カディスに至る地中海各地に植民都市を築いたとされ、フェニキア商業ネットワークの中心地として繁栄した。
遺跡はかつて島であった
アル・ミナ地区(ローマ遺構・十字軍城壁が残る)と、ネクロポリス(墓域)である
アル・バス地区の2つに分かれる。
同地区には、2世紀に建設され約2万人を収容できたローマ式競技場(
ヒッポドローム)と凱旋門が残り、鉄器時代のフェニキア人火葬墓地(出土した骨壺は約320基)も確認されている。
これは
レヴァント地方で最も密集したフェニキア人墓地として知られる。
1984年、フェニキア・ローマ両時代の海洋都市の姿を伝える遺跡として
世界遺産に登録された。
登録基準はiii(文明・伝統の証拠)とvi(出来事・生きた伝統・思想・信仰との関連)。
【検定ここが出る】紀元前1000年頃に地中海各地へ植民都市を築いたフェニキア人の拠点である点、2世紀建造で約2万人収容のローマ式競技場が残る点が問われやすい。